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血糖値を穏やかに保つ食事習慣 デスクワーク中心のあなたが取り組むべき基本とレシピ

Tags: 血糖値, 食習慣, レシピ, デスクワーク, 体調改善

健康診断の結果を見て、血糖値の項目に少し不安を感じていらっしゃるかもしれません。特にデスクワーク中心の生活を送っていると、運動不足や食生活の乱れから血糖値が気になるケースが増える傾向にあります。

食生活の見直しは、血糖値を穏やかに保ち、将来的な健康リスクを軽減するための非常に有効な手段です。しかし、インターネット上にはさまざまな情報があふれており、どれを信じれば良いのか、何から始めれば良いのか迷ってしまうこともあるかと存じます。

この記事では、血糖値を穏やかに保つための基本的な考え方から、科学的根拠に基づいた具体的な食事の摂り方、そして忙しい日々でも実践しやすいレシピと習慣を体系的にご紹介します。ご自身のペースで一つずつ取り組んでいただき、食生活を通じた体調改善への一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

なぜ血糖値のコントロールが重要なのか

血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。食事をして糖質を摂取すると血糖値は上昇し、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きによって血糖値は一定の範囲に保たれます。この血糖値の急激な上昇や高止まりが続くと、血管への負担が増加し、将来的に様々な健康問題につながる可能性が高まります。

特にデスクワーク中心の生活では、身体活動量が少なくなりがちです。運動による糖の消費が少ないと、インスリンの働きが悪くなる「インスリン抵抗性」が進みやすくなり、血糖値が上昇しやすい状態になることがあります。血糖値がコントロールされていない状態が長く続くと、心血管疾患などのリスクが高まることが複数の研究で示されています。

血糖値を穏やかに保つための基本的な食事の考え方

血糖値を穏やかに保つためには、摂取する糖質の量だけでなく、摂り方が重要になります。

  1. GI値(グリセミックインデックス)の低い食品を選ぶ GI値とは、食品に含まれる糖質がどのくらいの速さで血糖値を上昇させるかを示す指標です。GI値が高い食品(白米、白いパン、砂糖を多く含む飲料など)は食後の血糖値を急激に上昇させやすい一方、GI値が低い食品(玄米、全粒粉パン、野菜、きのこ、海藻、肉、魚など)は血糖値の上昇を緩やかにします。主食を玄米や雑穀米、全粒粉パンに変えるといった小さな変化から始めてみましょう。

  2. 食事の「食べる順番」を意識する 食事の最初に食物繊維を豊富に含む野菜やきのこ、海藻類を食べることで、糖質の吸収が穏やかになり、その後の血糖値の急激な上昇を抑えることができると言われています。次に肉や魚などのたんぱく質、最後に炭水化物(ご飯、パン、麺類など)を食べる順番を意識してみてください。

  3. バランスの取れた食事を心がける 糖質だけでなく、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランス良く摂取することが大切です。特定の栄養素に偏らず、様々な種類の食品を組み合わせることで、血糖値の安定だけでなく、全身の健康維持にもつながります。

日常生活で取り入れやすい習慣提案

デスクワークが忙しい方でも、少しの工夫で食習慣を改善できます。

血糖値コントロールをサポートする簡単レシピ

ここでは、血糖値を穏やかに保つ栄養素(食物繊維、たんぱく質など)を意識し、忙しい方でも手軽に作れるレシピを一つご紹介します。

レシピ例:たっぷり野菜と鶏むね肉のさっぱり蒸し

このレシピは、たんぱく質が豊富で低GIの鶏むね肉と、食物繊維やビタミン、ミネラルを含む野菜をたっぷり使っています。蒸し料理なので油の使用も少なく、調理も簡単です。

材料(1〜2人分):

作り方:

  1. 鶏むね肉は厚さ2cm程度に開いて、数カ所フォークで刺し、[A]を揉み込んでおきます。
  2. キャベツはざく切り、きのこは石づきを取ってほぐすか切る、パプリカは細切りにします。
  3. フライパンまたは鍋にキャベツを敷き詰め、その上にきのこ、パプリカ、鶏むね肉を乗せます。
  4. 蓋をして中火にかけ、蒸気が出てきたら弱火にして10〜15分、鶏肉に火が通るまで蒸します。
  5. 火が通ったら鶏肉を取り出し、食べやすい大きさに切ります。野菜ときのこはそのまま器に盛り付けます。
  6. ボウルに[B]の材料を混ぜ合わせ、蒸した鶏肉と野菜にかけて完成です。

この一品に、玄米ご飯や具沢山のみそ汁などを組み合わせれば、栄養バランスの取れた血糖値に優しい食事になります。

継続するためのヒント

食生活の改善は、一度に全てを変えようとすると負担が大きく、挫折につながりやすいものです。まずは「GI値の低い主食に変えてみる」「野菜を最初に食べる」といった、できることから一つずつ始めてみてください。完璧を目指すのではなく、「少しずつでもより良くしていく」という考え方を持つことが大切です。

外食や会食が多い場合は、メニュー選びに少し工夫をするだけでも違いが出てきます。定食形式を選んで主食を少なめにしたり、食物繊維が豊富な小鉢を追加したりするなど、無理のない範囲で工夫を取り入れてみましょう。

ご自身の体調の変化に意識を向けることも、モチベーションの維持につながります。食後の眠気が減った、集中力が増したなど、小さな変化を感じられたら、それは食生活改善の成果かもしれません。

まとめ

血糖値を穏やかに保つ食生活は、健康診断の数値を改善するだけでなく、日々の体調を整え、将来の健康を守るための投資です。GI値の低い食品選び、食べる順番、バランスの取れた食事を意識し、ご紹介したような簡単なレシピや習慣を日々の生活に取り入れてみてください。

食生活の改善は継続が重要です。ご自身のライフスタイルに合わせて、無理なく続けられる方法を見つけ、楽しみながら健康的な食生活を送っていただくことを応援しています。